紅茶は世界中で愛されている飲み物の一つですが、中には紅茶を飲むと胸焼けや頭痛などの不快な症状を感じる方も少なからずいらっしゃいます。
一方で、似たようなカフェインを含むコーヒーは平気だという方も少なくないでしょう。一見すると似たような飲み物のはずなのに、どうしてこのような違いが生まれるのでしょうか。この現象ですが、その原因は紅茶に含まれる特定の成分や摂取するタイミング、飲み方などによるものです。
しかし安心してください。紅茶による体調不良は、正しい知識と対処法を身につけることで改善、あるいは予防することが可能です。この記事では、紅茶による体調不良のメカニズムとそれを回避するための7つの対処法を紹介します。これを読めば、紅茶を楽しみつつ健康的なライフスタイルを守ることができるでしょう。
紅茶で気持ち悪くなる理由
紅茶は一日をリフレッシュするために多くの人が楽しむ飲み物ですが、時たま紅茶を飲んだ後に体調を崩す人もいるようです。では、なぜ紅茶で気持ち悪くなるのでしょうか？ここでは、その主な要因を３つに絞ってご紹介します。
飲みすぎたから
紅茶を1日に大量に飲むと、体調不良を引き起こすことがあります。それはどうしてでしょうか。紅茶には微量のカフェインが含まれています。適量であればリラックス効果や集中力アップに役立ちますが、一度にたくさん飲むとカフェインの摂取量が多くなり、胃や腸に刺激を与えることに繋がります。その結果、気持ち悪さを感じたり、具合が悪くなることもあります。
カフェインが胃に負担をかけたから
先述の通り、紅茶にはカフェインが含まれており、取りすぎると胃に負担をかけます。カフェインは胃の動きを活発にし、胃酸の分泌を促進します。空腹時など、胃に何もない時に紅茶を飲むと、胃酸が直接胃の粘膜に作用しやすくなります。これが胃痛や胃もたれ、吐き気などの不快な症状を引き起こします。
タンニンが原因で貧血を起こしたから
紅茶にはタンニンという成分が含まれています。タンニンは紅茶特有の苦みや渋みをつかさどる成分であり、健康に良い抗酸化作用も持っていますが、摂りすぎると体に悪影響を及ぼします。それは何故でしょうか。タンニンには鉄分の吸収を阻害する性質があります。紅茶を飲むタイミングや飲む量が多いと、体内で鉄分不足になり、貧血を引き起こすことがあります。
コーヒーで大丈夫なのはなぜ？
紅茶で具合が悪くなるのに、なぜコーヒーは問題ないのでしょうか。その理由について2つ説明します。
紅茶アレルギーだから
紅茶にはコーヒーとは異なる、特有のポリフェノールが含まれています。その一部にアレルギー反応を示す体質の人もいるのです。紅茶で頭痛や吐き気、下痢等の症状が出る場合、それは紅茶特有の成分に対するアレルギー反応である可能性が考えられます。
タンニンの量が紅茶の方が多いから
紅茶とコーヒーの大きな違いの一つは、含まれるタンニンの量です。紅茶にはコーヒーよりも多くのタンニンが含まれており、そのタンニンが体調不良の原因となることがあります。特に、紅茶に含まれるタンニンは鉄分の吸収を阻害する性質を持っているため、貧血を引き起こしやすいとされています。
紅茶で気持ち悪くなる場合の対処法7選
紅茶を飲んで気持ち悪くなるという経験があるなら、以下にご紹介する対処法を試してみてください。これらを実践することで、美味しい紅茶を楽しみながら、その後の不快な体調不良を避けることができるかもしれません。
①空腹状態で飲まない
紅茶を空腹時に飲むと、胃に刺激を与えやすくなります。胃の中に何もない状態で紅茶のカフェインやタンニンが入ると、これらが胃壁に直接働きかけ、胃痛を引き起こす可能性が高まります。それを防ぐためには、食事をした後に紅茶を飲むように心がけましょう。
②体調が悪い時に飲まない
体調がすでに悪いときに紅茶を飲むと、さらに具合が悪くなる可能性があります。具体的には、胃腸が弱っているときや疲労が蓄積しているときには、紅茶のカフェインが身体に重い負担を与え、悪化させる恐れがあります。体調が万全でないときは、紅茶は控え、水分補給は水やノンカフェインの飲み物にしてください。
③薄めに入れて飲む
紅茶の味を強くするために、たくさんの紅茶葉を使用すると、含まれる成分も多くなります。そのため、カフェインやタンニンの摂取量が増え、胃に負担をかける原因となります。紅茶を薄めに入れることで、これらの成分の摂取量を抑えることができます。また、ミルクを入れることも、苦味を和らげ、胃への刺激を低減する効果があります。
④直後に食事をしない
紅茶に含まれるタンニンは、鉄分の吸収を阻害します。そのため、紅茶を飲んだ直後に食事をすると、食事から摂った鉄分が十分に吸収されない可能性があります。それを避けるためには、紅茶を飲んだ後は30分程度空けてから食事をするようにすると良いでしょう。
⑤気持ち悪くなったら十分休息を取る
紅茶を飲んで気持ち悪くなったら、無理に活動を続けるのではなく、まずは休息を取ることが大切です。それにより体に負担をかけず、自己治癒力を高めることができます。
⑥カフェインレス紅茶を選ぶ
カフェインが胃に負担をかける原因となることから、カフェインレスの紅茶を選ぶのも一つの対策です。味は普通の紅茶とほぼ変わらず、体調不良を引き起こしにくいのが特徴です。
⑦フレーバーティーもおすすめ
通常の紅茶が苦手な方には、フレーバーティーがおすすめです。フルーツやハーブが配合されていて、風味豊かで飲みやすいため、紅茶特有の苦味や渋味が気にならず、体調不良を起こしにくいです。
まとめ
紅茶は、そこに含まれるカフェインやタンニンが体調不良を引き起こすことがあります。また、紅茶アレルギーの人や、コーヒーと比較してタンニン量が多いために体調を崩すこともあります。
そのような問題が発生した時には、対処法を試し、紅茶を楽しむ時間を大切にしましょう。体調管理は飲むタイミングや飲む量、また淹れ方など、日常生活の一つ一つの選択から始まります。紅茶と心地よく向き合うために、自分に合った方法を見つけてください。