エビを頬張ると幸せな気分になる人も多いのではないでしょうか?しかし、そのエビによって体調を崩す人も少なからず存在します。「美味しいエビを食べていて、なぜこんなに気持ちが悪くなるの?」と感じたことはありませんか?
その答えは、「アレルギー」かもしれません。エビは海老アレルギーの原因となる「トロポミオシン」という蛋白質を含む食材です。そのため、エビを食べると体調を崩すことがあります。
また、食べすぎがアレルギーを引き起こす原因になるのか、という疑問もあるでしょう。一概には答えられませんが、エビという食材の特性、アレルギーになりやすい身体の状況など、さまざまな要素が絡み合っていることは確かです。
アレルギーの成り立ちから考察してみると、必要以上に排除しようとする免疫システムが過敏に反応してしまいます。それが原因で、アレルギー反応が起こるのです。エビを食べて気持ちが悪くなる理由、それに食べすぎが関与するのかどうか、今後の記事で詳しく解説していきます。
エビを食べて気持ち悪くなるのはなぜ?
エビは美味しいだけでなく、栄養価も高いため、世界中の人々に愛されています。しかし、エビによって気分が悪くなる場合もあります。それは消化不良、あるいはアレルギー反応、または食中毒の可能性があります。
消化不良を起こしているから
エビといえば、プリプリとした食感が特徴ですが、その他に硬い殻が存在します。この殻は消化に時間がかかり、体に負担をかける可能性があります。特に、エビの殻を食べてしまった場合、胃や腸が悩むことで吐き気や胃痛を引き起こすこともあるでしょう。
甲殻類アレルギーが原因かも
エビは甲殻類の一種で、甲殻類アレルギーを持つ人々にとっては食べることができません。甲殻類アレルギーの症状として、口やのどのかゆみ、吐き気、下痢や蕁麻疹などが挙げられます。エビだけでなく、カニ、ロブスターなど他の甲殻類も同様の症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
食中毒の可能性も
さらにエビには、コレラ菌や腸炎vibrio、リステリア菌など、食中毒を起こす可能性のある菌が存在することが知られています。適切な処理や調理がなされていない場合、これらの菌に感染し、吐き気や下痢などの症状を引き起こすこともあります。したがって、エビは新鮮なものを選び、適切に調理することが重要です。
エビの食中毒の原因3つとそれぞれの症状
エビによる食中毒について、下記では食中毒を引き起こす3つの主要な菌と、それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。
①コレラ菌
コレラ菌は強力で、症状が出るまでの潜伏期間は数時間から5日程度と長く、下痢や嘔吐、発熱、脱水症状などが起こります。特に下痢は水様便となり、大量に水分を失うため、脱水症状が極めて急速に進行します。こうした症状が出た場合は迅速な対応が求められます。
②腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオによる食中毒では下痢が主症状となりますが、吐き気や腹痛、発熱などもあわせて現れ、オイスターソースなどの調味料を作る際に感染することもあります。多くの場合、症状は数日で自然に治療されますが、免疫力の低下している人々には重篤な症状を引き起こす可能性があります。
③リステリア菌
リステリア菌は、一般的に食物が冷蔵庫内で冷やされているときに増殖します。したがって、生食または冷凍保存されたエビを食べると、リステリア食中毒になる可能性があります。この症状は、発熱や筋肉痛、下痢などで、特に妊娠中の女性や新生児、免疫力の低下した人には深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
エビのアレルギーは食べすぎが原因?
エビのアレルギーが食べ過ぎによるものかどうか、そんな疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし、エビのアレルギーは、ある特定の成分に体が過敏反応を示す結果であるため、食べすぎが直接的な原因とはなりません。ただし、あまりにも大量にエビを食べ続けると、体内のアレルゲン量が一気に増え、アレルギー反応が起こる確率が上がります。
エビでアレルギー反応が起こる原因となるのは、一部のタンパク質です。エビに含まれるこれらのタンパク質は、一部の人々の体内では異物と認識され、アレルギー反応を引き起こします。その反応として発疹や掻痒感、呼吸困難などが起こる場合があります。エビアレルギーのある方は必要に応じて医師や栄養士に相談し、適切な食事を計画することが大切です。
エビを食べすぎないための目安量はどのくらい?
エビを食べすぎると、消化器系に負担をかける可能性があります。また、アレルギーの人は、食べる量によっては体調を崩す可能性もあります。そこで、「エビを食べすぎないための目安量」について考えてみましょう。
推奨される量は一般的に1食あたり約3~4尾とされています。これは、エビに含まれる栄養素を適量摂取するため、または過度の消化器系への負担を避けるためです。ただし、この目安は全ての人に当てはまるわけではありません。個々のアレルギーの程度、健康状態、体質により適量は異なります。
子どもが食べすぎにならない量は?
子どもの場合、成長期にあるため、その栄養補給はとても重要です。特にエビはタンパク質が豊富な食材であり、タニパク質は身体を作る材料となります。しかし、一度に大量にエビを食べると、消化器系に負担をかける可能性があります。また、エビが原因の食物アレルギーは、小さな子どもにも起こり得ます。
したがって、子どもが一度に食べるエビの量は、できるだけ1~2尾程度に制限することをおすすめします。また、初めてエビを食べる場合や、もしエビを食べた後にアレルギー反応が見られる場合は、すぐに医療機関に連絡することが必要です。エビを適度に楽しみながら、健康的な食生活を子どもたちに教えることが重要です。
まとめ
この記事を通じて、エビを食べて気持ち悪くなる理由について詳しく解説しました。エビが原因で体調不良を引き起こす主な原因は、アレルギーや食物中毒です。これらの条件は、エビ自体に含まれる特定の物質に対する個々の免疫反応や、衛生的に不適切な調理方法によるものであることが多いです。
一方で、エビを食べすぎがアレルギーを引き起こすわけではないことも確認しましょう。アレルギーは体の免疫系が過剰反応を起こすことで生じ、一度アレルギー反応を起こすと、たとえ少量であってもその食物は体調不良を引き起こします。
とはいえ、エビやその他の食品をバランスよく、適量を心掛けて摂取することは大事です。何事も適度が一番と言われるように、食事も例外ではありません。楽しくお食事をするためにも、自分の体調や反応をよく観察し、必要ならプロの意見を求めることも大切です。